科学的に証明された「利他の心」の優位性

【三宅】最後に、ぜひ西成研究室の「3つの戒め」のお話をお聞きしたいのです。

三宅 義和『対談(3)!英語は世界を広げる』(プレジデント社)

【西成】渋滞研究をやって結果たどり着いた結論は、「長期的な視野」「全体最適」そして「利他」。これが私のモットーで、どんなことにも通じる話だと思います。だから「今さえよければいい」「ここさえよければいい」「自分さえよければいい」という言葉を私の前で言うと破門です。それぞれ「短期的な視野」「部分最適」「利己」ですから。

【三宅】利他の心のほうが回り回って全体がよくなるということを、精神論ではなくて数学的に証明されたところが画期的ですよね。

【西成】そうですね。それを発表した途端に増上寺から講演依頼がありまして、全国から僧侶が集まる大会で同じような頭をした私が利他の話を数学的に解説させてもらいました。すると僧侶から「我々も2000年前から利他の研究しています」と言われて意気投合しまして。しかも最後が面白くて「先生へのお礼です」といって100人くらいの僧侶がテノールとバスに分かれてお経を唱えるんです。すごい迫力でしたよ。

【三宅】今日は本当に楽しく、かつ素晴らしいお話をありがとうございました。

西成 活裕(にしなり・かつひろ)
東京大学 先端科学技術研究センター教授
東京大学工学部卒業後、同大大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻博士課程修了。専門は数理物理学、渋滞学。主な著書に『渋滞学』『誤解学』『無駄学』などがある。
三宅 義和(みやけ・よしかず)
イーオン代表取締役社長
1951年、岡山県生まれ。大阪大学法学部卒業。85年イーオン入社。人事、社員研修、企業研修などに携わる。その後、教育企画部長、総務部長、イーオン・イースト・ジャパン社長を経て、2014年イーオン社長就任。一般社団法人全国外国語教育振興協会元理事、NPO法人小学校英語指導者認定協議会理事。趣味は、読書、英語音読、ピアノ、合氣道。
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(構成=郷和貴 撮影=原貴彦)