※本稿は、メールマガジン「プレジデントFamily 中学受験部」の内容を再編集したものです。
たった1年4カ月の受験勉強で桜蔭に合格
中学受験で難関校を目指そうと思ったら、「小学3年生の2月から入塾して準備を始める」のが一般的だ。ところが、偏差値70台である女子校最難関の桜蔭に合格したSさん(現中学2年、14歳)が準備を始めたのは、小学5年生の11月だった。当初の偏差値は40台で、受験勉強に充てられたのはたった1年4カ月。しかも、母親(47歳)は中学受験に乗り気ではなく、ほとんどサポートはしなかったという。
「算数だけ塾に通いたいという本人の希望で、4年生から早稲田アカデミーに算数だけ通わせていました。そのうち、塾側から中学受験を勧められるようになって。ずっとお断りしていたのですが、本人が桜蔭の文化祭を見に行きたいと言い始め、連れて行ったら最後、でした(笑)。他の学校の文化祭も行ったのですが、目もくれず……」
Sさんは、文化祭で主体的に行動する桜蔭生の姿に憧れ「私は絶対ここに行く」と言い始めた。そこで母親は「じゃあ、習い事と中学受験のどちらを選択するか決めなさい」と迫る。
もともと母親は地元の公立中に進学すればよいと考えており、中学受験の必要性を感じていなかった。また当時、週に4日ダンス、2日ハンドボールと、週6日間も習い事に通っており、特にダンスは本格的にやっていたので、中学受験との両立は到底、無理だったのだ。
最終的に、彼女は受験する覚悟を決めた。「ダンスで食べていくのは大変だから、中学受験をして別の道を探したほうがいい」というのが本人が下した結論だった。
「勉強をしないなら中学受験はやめなさい」
本格的に塾に通い始めることになった娘に、母親はさらなる厳しい言葉をかけた。
「中学受験をしたいと言ったのは、あなた。塾通いにはそれ相応のお金がかかる。勉強しないならば、中学受験をしないといけない理由なんてないのだからやめればいい」
本当に中学受験にチャレンジするならば、親に頼らず自力で頑張ろうと思ってほしかったのだ。勝ち気なSさんだからこそ、突き放したほうが奮起するだろうという思惑もあった。
その思惑通り、Sさんは塾がある日もない日も塾に入り浸り、22時に迎えに行くまで自習室で勉強をする生活をスタートさせた。母親は「勉強しなさい」とは一言も言わなかったが、時には「落ちたら落ちたで、こっちは私立の学費もかからなくてラッキーだからいいよ」と挑発したそうだ。
「気が緩んでいるなと感じたときには、発破をかける意味でそういうことを言いましたね。本人は『うるさい!』と怒っていましたが(笑)」
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