熱心な古参会員の多くは、すでに60~70代以上

しかし19年春の大阪政局の結果とは、「常勝関西の敗北」というものでしかなかった。維新のたくみなメディア対策や、それに伴って吹いた風の影響もあろうが、近年とみに指摘される「創価学会員が選挙に注ぐエネルギー量の低下」は無視できまい。池田大作名誉会長の間近で学会の拡大に貢献してきた熱心な古参会員の多くは、すでに60~70代以上。池田思想の中核であった憲法9条擁護や反核といったメッセージも、長期化する自公連立の影響で揺らいでいるとの批判が内外から出ている。

最近ではそうした本部批判を展開していた一般会員が除名されるといった出来事さえ起きており、かつて池田氏が「庶民の王国」とまで称した強大な創価学会は、実は今すでにない。選挙戦直後、橋下徹氏は民放のテレビ番組で「第2幕は公明党を壊滅させる」と発言。常勝関西はいつの間にか、まな板の鯉にさえなってしまっている。

公明党の票田を形成する創価学会の組織的特色とは、その上意下達の鉄の団結だ。しかしプライドで目の曇った「上意」に翻弄された結果が今回の大阪の敗北だったのだとすれば、哀れなのはまさに「下」にいる、多くの一般会員たちであろう。

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