郊外では家族連れを集客、駅前店舗では買い取りを重視
販売面を考えても、郊外、あるいは幹線道路沿いなどに大型店舗を構える意義は大きい。近年、主要幹線道路沿いには、家具などを扱うホームセンター、ショッピングモールなど大型の商業施設が立ち並ぶ。そして週末には多くの家族連れでにぎわっている。
ブックオフは、そうした変化にも目を付けた。まとまった面積が確保できる場所に大型の総合店舗を構え、書籍からアパレル、貴金属、ホビー用品など幅広い商品をそろえて家族連れ客の取り込みを狙った。加えて、駅前店舗では買い取り業務を強化した。
ブックオフは大型店舗にさまざまなリユース商品を集め、リアル店舗で買い物をする安心感を顧客に提供している。これはネットビジネスとの差別化になる。
「立ち読み」から商品を買ってもらうのが原点
ネットでの買い物では、商品の品質や使い勝手を事前に把握することは難しい。商品紹介の動画などを見ても、実際に手に取ってみるとイメージしていたものとは違うこともしばしばある。購入の対象がリユース商品となれば、なおさら商品の状態(きれいさ、機能面で問題がないかなど)を確認したいと思う人も多いだろう。
こうした欲求を満たすためには、実際に手に取り、質感などを確かめるしかないだろう。それはネット空間では実現が難しい。
ブックオフはコンビニに行くような感覚で気軽に古本屋に行き、立ち読みを楽しみながら、気に入ったリユース商品を買うというスタイルを消費者に提案し、支持を集めた。それが、ブックオフのビジネスモデルの原点であり、強みでもある。