「一生自分の声で食っていきたい」人がやるべきこと

だからこそ、「一生自分の声で食っていきたい」と考えているのならば、やるべきことは、たった一つ。華やかなステージに立つために向ける努力以上に、声優として認められる道を着実に進むことしかありません。

岩田光央『声優道‐死ぬまで「声」で食う極意』(中央公論新社)

それは「職業・声優」としての技術を高めることであり、覚悟を持つということです。職人としての声優の立場を理解し、その上で何をすべきか、自分の頭で考え、行動するということ。

第一線で活躍している本当の「アイドル」たちは、天分に恵まれた上で、それこそ小学生のときから競争にもまれ、トレーニングを重ねています。そんな彼、彼女たちと学校に通ったくらいで「ライバル」というのは、あまりにおこがましくはないでしょうか。

今活躍し、人気を博しているアイドル声優になりたいのなら、一番の近道は声優としての実力を磨くことしかありません。著書『声優道』に詳しく記しましたが、大前提として、声優として求められる演技ができるようになり、アニメなどのオーディションを勝ち抜けるスキルを身に付けましょう。

自らの力でチャンスを掴み取らない限り、すでに原石だらけの中、あなたは輝かない石のままで終わってしまうはずです。

岩田光央(いわた・みつお)
声優
1967年、埼玉県生まれ。出演作に「AKIRA(金田役)」「頭文字D(武内樹役)」「トリコ(サニー役)」「ドラゴンボール超(シャンパ役)、「斉木楠雄のΨ難(斉木國春役)」など多数。子役から芸能界入りした、芸歴30年以上のベテラン。2013年、第7回声優アワード「パーソナリティ賞」受賞。ラジオ大阪「岩田光央・鈴村健一スウィートイグニッション」などにレギュラー出演中。ラジオ大阪声優&アナウンススクールなどで講師を務める。通称『兄貴』と呼ばれ、後輩やファンに慕われている。
(写真=iStock.com)
【関連記事】
「自称声優」が量産される声優業界の混迷
伊集院光はなぜ"ラジオの王様"になれたか
槇原敬之が覚醒剤事件から復帰できたワケ
ゆとり世代"オジサンとは人生の目的違う"
「孤独地獄」の体験が吉と出た人の共通点