勉強法については、自分に合ったものを選ぶことが何より大事、と前田氏は続ける。

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「例えば、単語については、英語と日本語を1対1対応で確認しながら強引に覚えるタイプの人がいる。その方法が自分に合っているならいいのですが、合わないなら諦めて違う方法をとってほしい。例えば、英文に接して、その中で出合った知らない単語を覚えていくという方法があります。その英文はTOEICのための問題集にあるものがいいでしょう」

文法の勉強を始めるなら、TOEICのパート5から始めると取り組みやすい、と前田氏は話す。ただし選択式問題のため、完全に理解できなくても解けてしまう場合がある。しっかり理解しながら勉強を進めることが大事、とくぎを刺した。

「単語、文法に加え、実は勉強すれば一番点数が上がりやすいのがリスニング。英語の音は毎日聞くようにしてください。ただ単に聞くだけでなく、自分でもその英文を発音してみることが大事です。自分が言える音と聞き取れる音というのはかなり近いからです」

環境的に発音することがはばかられるという人なら、聞いた英文を書き取ることでも学習効果が出る、と前田氏。そうすると自分が聞き取れていない部分もよくわかるという。

学習はHowよりHow much

勉強法はわかっても、英語の教材はそれこそ星の数ほどある。教材選びは間違えたくないところだ。

「世界最大の非営利テスト開発機関である『ETS』のマークが入っている、『TOEICテスト公式問題集』などは間違いないと思います。マークがあればその質はしっかり担保されているということなので、教材としては最強です。そういう教材を何度も繰り返し、理解できるまでやってください。600点を目指すようなTOEIC初心者はいろいろやるよりも1冊をやり込むほうが有効です」

アンケートで「役立ったテキスト」を聞いたところ、現代英語の重要単語1600語と重要熟語1000語を560本の例文から学べる『DUO3.0』が、満足度1位となった。

「『DUO3.0』は人気の高い教材ですが、TOEICの勉強に向いているかというとそうとも言い切れないかもしれません。というのも、TOEICには出題されないような単語もわりと入っているんです。なるべく早く点数を上げて成果を出したいと考えている人からすると、やや遠回りになるかもしれません」

しかし、大事なことはどのテキストを選ぶかよりも、まず始めること。そして自分が少しでも楽しく継続できる教材であることだと前田氏は強調する。