「多くの人がいいと言っている教材だから、有名な人が監修しているから、といった理由で選ぶより、自分でやってみて『合うな』『続けられそうだな』と思う教材を選ぶことが点数アップにつながります。そして合うかどうかは、実際にやってみないとわからない。まずは1冊手に取ってみるといいですね」
英語学習で成功している人は、自分に合った勉強法や教材を見つけて、継続している人だという。
「放送通訳者の柴原智幸さんは、『How』どのように勉強するかよりも、『How much』どれだけたくさんやったのか、のほうが重要だと言っています。人の意見に耳は傾けても、自分のやり方を見つけたらふらふらしない。それが一番必要なことなんです」
英語の学習ツールは本だけではない。アンケートでも、「効果のあった勉強法」として、「本」(45.7%)、「教材」(28.7%)に続き、「英語学習アプリ」(20.8%)、「テレビ・ラジオ講座」(17.2%)、「通学型英会話スクール」(14.4%)が挙がっている(図6)。一方、「失敗した勉強法」についても聞いているが、そこでは「通学型英会話スクール」が6.4%でトップとなっている(図7)。
「英会話スクールは英会話を学ぶところですから、TOEICの点数を上げることに直結しないのはやむをえません。オンライン型の英会話スクールなども同じです。会話というのは自分が知っているボキャブラリーの範囲内しか使えないので、語彙はそこまで増えないんです。それにTOEICは日常会話というより、ビジネスシチュエーションのものが多いですから。英会話での勉強だと効果が限定されてしまうんです」
しかし、前田氏はNHKのテレビやラジオの英語講座は比較的効果が高いという。
「NHKの講座はテーマが設定されています。ビジネスをテーマとしたものを選べばTOEICと内容がかなり被ってくると思います。加えて、NHKの講座は本もあるので、聞くことに加えて視覚的にも内容をチェックし、学び直すことができる。これはとても大きなメリットです」
ライバル心が最高の動機付けに
英語アプリについては「手軽なのがメリットだが、手軽すぎて頭に残らない傾向がある」と前田氏は語る。
「アプリを活用するのなら、1度教材として勉強したものの復習として使ったほうが、記憶にも残りやすく効果が高いと思います。例えば『abceed』というアプリがありますが、これは主要出版社の人気英語学習本をアプリ化したもので、問題に対する解答を採点してくれたり音声を聞いたりすることもできます」
最後に前田氏が勧めるのは、学習者同士で集まって勉強することだ。