最終形はまだまだこれからだ

これからのアップルウォッチの未来はどうか。

いま、全米では推定3000万人が糖尿病に苦しんでいるといわれる。糖尿病患者にとって血糖値を測定するには針で血液を採取する侵襲性(生体を傷つける)の方法しか現在はない。だがその方法は痛みを伴い、患者への負担がかかる。しかも、使い捨ての器具の消費という問題も抱えている。

竹内 一正『アップルさらなる成長と死角 ジョブズのいないアップルで起こっていること』(ダイヤモンド社)

そこでアップルでは、血糖値を測定する際に針を使わず、光センサーで体を傷つけない「非侵襲性」技術の開発に取り組んでいる。うまくいけば、次世代アップルウォッチに搭載されるだろう。

天国のジョブズが今のアップルウォッチを見たら何と言うだろう? 褒めるだろうか、けなすだろうか。あのジョブズが簡単にほめるとは思わないが……。

いずれにしても、アップルウォッチはまだ最終形ではないことは確かだ。だからこそ大いなる可能性がある。

ティム・クックはアップルウォッチを世に出した時に取材でこう語っていた。

「アップルが世に送り出した革新的な製品のいずれも、発売当初はヒットするとは考えられていなかったように思う。人々がその価値に気付くのは、時が経って過去を振り返ったときなんだ。アップルウォッチの場合も同じような展開になるかもしれないよ」

(写真=AFP/時事通信フォト)
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