医師の言うことがどうも腑に落ちない――。そう感じたことのある人は多いはず。その理由は、医師が高度に専門的な知識を持っているからだけではない。医師にはそう言わざるをえない事情があるのだ。さらに、医師の世界は、私たち一般人がなかなか知りえない業界用語や隠語も盛りだくさんなのだ。医師の決まり文句の意味をこれから紹介しよう。
▼問診編
いきなり下される「断定口調」
「はいはい、風邪ですね」
こう言ってあっという間に診療を終える医師に対して、適当にあしらわれた気がして怒る方がいます。特に高齢の患者さんは、じっくり診察して話を聞いてほしがる傾向がありますね。ただ、すべての患者さんのお話を無制限にお聞きしていたら、外来業務は麻痺し、病院は大赤字になるでしょう。国民健康保険のおかげで、患者さんの負担は少なくて済みますが、その裏返しとして、ある程度の数を捌かないと経営が立ち行かないのです。
よく「3分診療」などと揶揄されますが、それを望んでいる患者さんがいるのも事実です。忙しい仕事の合間を縫って来院した人なら、とにかく短時間で済ませてほしいと思うでしょう。「手際よくサッと処方箋を出してくれて助かる」という人もいます。要は「はいはい、風邪ですね」という同じセリフでも、患者さんのニーズによって受け止め方は正反対なんです。さらに本音を言えば、風邪ぐらいで病院に来る必要はありません。たいていの風邪なら、3~4日、暖かくしてゆっくり家で寝ていれば、ほとんど自然に治ります。それでも治らないときに、初めて病院を訪れれば十分です。(医師の奥仲哲弥氏)
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