「お金持ち」になるには、どうすればいいのか。事業家・思想家の山口揚平氏は「お金は、信用、価値、時間、健康で構成されている。人が価値創造するには時間が必要であり、時間の密度を濃くするには健康が必要だ。健康=お金と考えるべきではないか」という――。

※本稿は、山口揚平『1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

「現金化できる信用」を増やすには価値を積み上げるしかない

お金についてより深く考えるには、お金が生成されるまでに至った仕組みをまずは理解する必要があるだろう。

お金はお金、信用、価値、時間、健康(エネルギー)の枠組みで構成されている(図1)。

お金はお金、信用、価値、時間、健康(エネルギー)で構成されている(画像=『1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法』)

一番上が「お金」だ。そのレイヤーを支えるのが「信用」である。

信用主義経済が面白いのは、お金を稼ぐ手法が限られていた貨幣経済とは異なり、信用を積む方法が無数に存在するということだ。言葉遣いや品格、教養、外見、おもてなし精神など、クリエイティビティの発揮しどころはたくさんある。

ただ、くり返しになるが、信用は一朝一夕で作られるものではない。信用は価値の総和であり、価値がP/L(フロー)だとすれば、信用はB/S(ストック)だ。よって「現金化できる信用」を増やすには、日頃から価値をコツコツと積み上げていくしかないのである。

「健康」がお金になる時代がくる

3層目の「価値」の生み出し方については後述するが、人が価値創造するには何より「時間」が必要である。そしてその「時間」の量を増やし、密度を濃くするには、「健康」に留意してエネルギーを貯めていかなければならない。健康だからこそ色々なことを考える余地が生まれるからだ。

お金がお金を生むという従来型の金儲けのスキームがなくなるわけではないが、これからの時代は個々が価値創造に対してより能動的に関与していくことが求められる。「身体が資本だ」とよく言うが、文字通り、健康(エネルギー)がお金になる時代がやってくるのだ。

時間にせよ、健康にせよ、それらは「お金、信用、価値」という3層構造からなる広義のマネーを下支えする「原資」であり、原資であるからこそ私たちはもっとそこに意識を向けなければならない。