よその家では老後に向けてどんな備えをしているのか。4つの家計相談をケース別にみていきながら、安心家計のポイントを解説しよう。第1回は「年収800万円でバツイチ独身」というケースについて――。(全4回)
▼年収800万円
バツイチ独身で養育費支払い中。長生きしたくないが、自分の人生が心配。
▼A家の手取り
手取り年収620万円 ※税金以外に福利厚生・社内親睦会費用控除後(月の手取り額44万円+ボーナス2カ月)、1人暮らし。息子が1人の養育費支払い中

定年後は実家か、都心で働き続けるか

52歳で独身、毎月の手取り額が44万円と聞けば、それなりに老後資金の蓄えもありそうなもの。だがAさんの家計簿を見ると収支合計はゼロ。貯蓄はほとんどない。ただ、これには納得できる理由もある。じつは離婚歴があり、今春大学生になる子どもの養育費として毎月20万円がかかっているのだ。家賃7万円のワンルームに暮らし、特に趣味もないAさんは、度を越した贅沢をしているというわけではないのである。

PIXTA=写真

とはいえ、気になる支出がないわけでもない。それは食費6万円、小遣い3万円の中身だ。そのほとんどは外食とお酒にあてられていた。おひとりさまならではの気ままな暮らしにケチをつける気はないが、健康面は気になるところ。また老後を考えると、経済面もさることながら、特別な趣味もないだけに生きがいをどこに見出すかが心配になる。

最近は未婚者が増える一方で、このように結婚はしたものの離婚や死別で単身者となるケースが少なくない。平成27年国勢調査でも、おひとりさまがなお増加中であることが裏付けられている。一般世帯数5333万世帯のうち、1人世帯はなんと約1842万世帯、34.6%と3割超。未婚者が多い20代のみならず、60歳超の単身世帯もかなりの比率を占めているのが近年の特徴である。

Aさんの場合、あと4年で養育費からは解放される。その後55歳から60歳まで、これをまるまる貯金に回せばたった5年間で1200万円近い老後資金をつくることが可能だ。一方で、養育費を支払っている間は子どものためにも、収入保障保険に入っておいたほうがいいだろう。