会った後に「帰り道の幸せ感」を抱かせる人

ジャーナリストを志す人に、どんな本を勧めればいいか。ノンフィクション作家の後藤正治さんは「本田靖春の作品を勧めたいですね」と話す。

後藤正治さんは新作『拗ね者たらん』で、2004年に亡くなった本田靖春の「人」と「作品」を追った。生前に二度、会っている。初めての邂逅は30代で最初の単行本を上梓したとき。糖尿病を患う本田はすでに片目の視力を失っていたが、「僕は飲めないけれど」と、ビールを差し出してくれたという。