「フェースID」を使うのは信頼感があるから
私自身は長年アップル製品を愛用してきました。現在では、フェースIDを搭載したiPhoneⅩ、通常のiPadとiPadPro、そしてアップルウォッチ・シリーズ4を同期化して使っています。「アップルの製品だから使用している」という機能も少なくありません。
その最たるものがフェースIDです。iPhoneⅩとiPadProに搭載されたフェースIDは、便利である一方、自分のプライベートな生活や、ありのままの姿がそこで記録されているかもしれないと意識することが多々あります。それでも私がこれらの製品を使っているのは、アップルが個人データの利活用をしないという信頼感や安心感があるからです。
決済アプリについては、仕事上の要請から、主要なものは一通りスマホにインストールして、それぞれ数回程度は実際に使用もしています。それでも私が実際にもっとも多用しているのは、アップルウォッチを使用端末とする「アップルペイ×Suica」決済です。時計の右側にあるボタンを2回クリックすれば決済画面が現れ、対応する機器の読み取り部にかざすだけ。コンビニでの決済、タクシーやJR、地下鉄での支払いなど、本当にスピーディで快適です。
もっとも、利便性以上に重要なのは、やはりアップルの信頼性や安心感。自分のクレジットカード情報を提供し、さらには自分の銀行口座にまで紐づけて金融取引を行うとなると、信用のおけない企業に任せることはできないからです。
アップルウォッチは「医療機器」に近づいている
アップルウォッチは、シリーズ4になってからはECG(心電図)計測ができるようになり、もはや事実上、「医療機器」と呼べる水準に進化してきました。この機能については後述しますが、医療データを委ねられるのも、やはり信頼できるアップルだからです(2019年3月時点では同機能は日本では有効化されていない)。
仕事では外出先の作業はパソコンよりiPad Proという機会が増えてきました。このように仕事上の重要な情報を委ねられるのも信頼できる企業だからなのです。
以上はあくまで私個人の事例です。「そんなことは気にせずにどんどん便利な生活を送りたい」と思う層も少なくないと思います。一方で、金融サービス、医療サービス、業務用サービスなどで信用力がより重要となっている昨今、アップルを再評価する動きが出てくる可能性が高いのではないかと予想しています。