[2] 変化と自由を与える職務設計にする

決定を下したり失敗したりできるような、変化と自由を伴う職務は強い忠誠心を生む、と専門家たちは指摘する。社員に主体的に仕事に取り組ませることで、新しいスキルを身につける機会と、それに劣らず重要な、自分に何ができるかを示すチャンスを与えることになる。

変化と自由を与えるためには、なんらかの組織の規律が必要だ――少なくとも、社員に選択のチャンスがあるときは、会社はそれを社員に知らせなくてはいけない。

[3] 人間関係を重視する

多くの社員にとって、忠誠心は上司や同僚との人間関係を通じて生まれたり、強化されたりする。

「人が組織を辞める理由のトップは給料や諸手当の低さではない。直接の上司との日々の人間関係だ」と、ビジネス・ライターのジョン・パツィアは言う。社員の忠誠心を確保したいと思うリーダーは、好ましい絆を築くために努力せねばならない。

そのためには「賞罰の与え方を公平にすることだ」と、フロリダ州ローリングズ・カレッジの国際ビジネス学教授、ドナルド・P・ロジャースは言う。キャリア・コーチでトレーナーのジョン・チャぺレーは、「あなたの期待を明確に伝え、その期待を満たすために必要な資源とスキルを社員に持たせてやることだ」と言う。

社員の間に互いに助け合う関係を育てることは、組織に対する彼らの忠誠心をさらに高める一助になる。

[4] 社員の価値観と会社の使命とのつながりを明確に示す

「終身雇用契約が社員の忠誠心を培う唯一の方法であったことは一度もない」とロジャースは言う。「われわれはなぜ富を生み出すのか、という会社の目的を明確に打ち出すことも、忠誠心を生む働きをする」。社員が自分の価値観と会社の使命とのつながりを見いだしている場合はとくにそうだ。

(翻訳=ディプロマット)