歯周病の治療にも効くブラッシング
「歯肉の腫れは、歯周病菌の侵入を防ぐ白血球を遊走させるために起こります。そのときに免疫システムの誤作動が起こると歯槽骨が溶けてしまいます。腫れている場合は、柔らかい毛先のブラシで痛くないように丁寧に磨いていると、数日で腫れが引いていきます。腫れが引くと、歯の根元が現れ、歯が長くなったようになるので不安になりますが、続けてしっかり磨いていれば健康な歯肉の形態を取り戻します」
プラークが石灰化した歯石は、歯周病の原因ではないが、歯石にはプラークが付着しやすいので、定期的に歯科医で取り除いてもらおう。
歯周病が進行すると、歯がグラグラと動揺し、最後は抜けてしまう。抜けてわかる歯のないもどかしさ。取り返しのつかなくなる前に、正しいブラッシングの習慣をぜひ身に付けたい。
▼歯周病の進行
1 歯肉は薄いピンク色/歯槽骨は上まである
2 プラーク/赤く腫れている/歯槽骨は上まである
3 プラーク/歯周ポケット/赤く腫れている/骨が少し溶けはじめている
4 プラーク/血や膿/歯周ポケット/歯から大きくはがれる/赤や赤紫色に腫れている/歯石/骨が溶ける
5 動揺/歯石/プラーク/血や膿/歯周ポケット/赤や赤紫色に腫れている/骨が少なくなっている
6 動揺が大きくなる/プラーク/常に膿が出ている/歯周ポケットの奥まで歯石/赤や赤紫色に腫れている/骨は歯を支える力を失っている
1 歯肉は薄いピンク色/歯槽骨は上まである
2 プラーク/赤く腫れている/歯槽骨は上まである
3 プラーク/歯周ポケット/赤く腫れている/骨が少し溶けはじめている
4 プラーク/血や膿/歯周ポケット/歯から大きくはがれる/赤や赤紫色に腫れている/歯石/骨が溶ける
5 動揺/歯石/プラーク/血や膿/歯周ポケット/赤や赤紫色に腫れている/骨が少なくなっている
6 動揺が大きくなる/プラーク/常に膿が出ている/歯周ポケットの奥まで歯石/赤や赤紫色に腫れている/骨は歯を支える力を失っている
小西昭彦(こにし・あきひこ)
1952年、東京都生まれ。日本歯科大学卒業。開業医院勤務を経て、85年から新宿に小西歯科医院を開業。自然に抜け落ちてしまう歯以外は別として、歯を抜かずに歯周病治療に取り組む。著書に『歯周病は怖くない』ほか。
1952年、東京都生まれ。日本歯科大学卒業。開業医院勤務を経て、85年から新宿に小西歯科医院を開業。自然に抜け落ちてしまう歯以外は別として、歯を抜かずに歯周病治療に取り組む。著書に『歯周病は怖くない』ほか。
(写真=iStock.com)