成果目標をプロセス目標に転換

また、目標を具体化する上でもう一つ有効なのが「そのために」という言葉です。

「新規顧客を5件獲得する」という行動目標を立ててきたメンバーがいたとしましょう。

そしてそのメンバーは、その前の期も「5件獲得」という目標を立てていましたが、実際には2件しか獲得できていなかったとします。そうした場合には、メンバー「目標は新規顧客を5件獲得することです」

リーダー「なるほど。前期は2件だったから、とても意欲的な目標だね。ただ同じやり方だと、同じ結果(2件)になってしまうかもしれないよね。前期よりプラス3件獲得する、そのために何をすればいいと思う?」

メンバー「そのために(しばらく考えて)○○してみます」

「そのために」という言葉を使うと、結果を出すために何をすればいいのか、結果を出すためのプロセスについて具体的に考えることを促すことができます。言い換えれば、成果目標をプロセス目標に転換することができるのです。

「たとえば」も、「そのために」も、より具体的な行動をメンバー本人に考えさせる言葉なので、次のアクションにつながりやすくなります。そして、自分で自分の行動を決めることになりますので、自己決定感が高まり、目標の達成確率も上がるのです。

この二つの言葉は、チームリーダーにとって非常に有効な武器になります。また、成果目標をプロセス目標に転換することは、メンバーの目標達成にとって極めて重要なことなのです。

(写真=iStock.com)
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