正規の教員は残業代ゼロだが、常勤講師はもっと厳しい
正規の教員も、労働条件はいいとは言えない。教員には給与月額の4%相当が支給される代わりに、時間外手当が支給されないことが給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)で定められている。
教員の働き方改革が検討されるなか、中央教育審議会は去年12月、教員の残業を原則月45時間以内、繁忙期でも月100時間未満とするガイドラインを了承した。しかし現状では多くの教員がこのガイドラインを超える残業をしている。ガイドラインには罰則がないので、実効性があるのかと疑問視されている。また中央教育審議会は、給特法の見直しには踏み込まなかった。
このように正規の教員も、厳しい労働条件下にある。しかし、講師は同じ仕事をしながら、もっと厳しい立場と待遇で働いている。講師の労働環境を改善することは、現場にも、教育を受ける子どもたちにとっても、プラスに働くのではないだろうか。「もっと多くの人に講師の実態を知ってほしい」とAさんは話している。
田中圭太郎(たなか・けいたろう)
ジャーナリスト
1973年生まれ。早稲田大学第一文学部東洋哲学専修卒。大分放送を経て2016年4月からフリーランス。警察不祥事、労働問題、教育、政治、経済、パラリンピックなど幅広いテーマで執筆。
ジャーナリスト
1973年生まれ。早稲田大学第一文学部東洋哲学専修卒。大分放送を経て2016年4月からフリーランス。警察不祥事、労働問題、教育、政治、経済、パラリンピックなど幅広いテーマで執筆。
(写真=iStock.com)