近年都市部で人気なのが室内型の墓である納骨堂だ。墓石を建てるより割安で、セキュリティーも完備、立地も良い条件のところが多く、年間で数千区画単位で増えている。しかし、トラブルが起きないとは言い切れない。

「墓じまいした長男が両親のお骨を家の近くの永代供養墓(※)に移したケースでは、姉夫婦が猛反対し、元の寺に墓をつくりなおすことに。結局、墓じまいとは話し合いです。将来にわたっての『供養』を『いま』『誰が』『責任』を持つのかという総合的な見識が大切だと思います」(佐々木さん)

特に、カードを差し込むと遺骨が出てきてお参りができるタイプの納骨堂が増えているが「機械式ですから、将来のメンテナンスがどうなるか、心配は残りますね」(吉川さん)。50年後、100年後どう遺骨を管理していくのかが明確な機械式納骨堂はまだない。

さらに、遺骨を身近に置いておく手元供養も需要がある。二カ所に骨を分ける分骨の有力な選択肢ともなるが、課題も少なくない。

「管理している人が世代交代すると、お骨があることさえ知らず、大掃除などで気づかず処分してしまうことがあります。死体損壊等罪に当たることもありますから注意が必要ですね」(佐々木さん)

すべての遺骨を手元供養するのならば、管理者が亡くなったときに備え、遺言やエンディングノートに遺骨に関するメッセージを残しておいたほうがいいだろう。

※墓参りできない、しない場合に、お寺や霊園が代わりに墓守をしてくれる墓。

佐々木悦子(ささき・えつこ)
エンディングコンサルタント
一般社団法人日本エンディングサポート協会理事長。
 

吉川美津子(きっかわ・みつこ)
終活ビジネスコンサルタント
葬送・終活ソーシャルワーカー/社会福祉士。
 
(写真=iStock.com)
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