これで安保問題を決めていい? 沖縄で見聞きした「直接民主制」

この県民投票期間中、僕は沖縄に行ってきた。

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たった1時間かそこらの取材で全てが分かったなんて、そんな大手メディアの記者のように偉そうなことを言うつもりはない。それくらいの取材では、全体のうちのほんのほんの少ししか理解できていないことは重々承知している。

それでも僕は、あの辺野古の現場で行われている民主主義によって、日本の安全保障の行く末が決まるということには違和感を通り越して、危険性すら感じた。

僕が行ったときには、辺野古移設反対の大手メディアがいつも映し出す騒然とした様子とは異なり、閑散とした雰囲気だった。もちろんこの現場に多くの人が溢れかえることもあるのだろう。僕もそういう場面を、大手メディアの映像を通じて見ることはよくあった。

しかし、閑散としているときもあるというのも事実だ。つまり、いつもいつも人で溢れかえっているわけではない、ということだ。

そして僕が目にした現場では、「熟議」が行われているという雰囲気ではなかった。何人かの人が「辺野古移設だけは絶対に認められない」ということをマイクを持って数人の仲間に向けてスピーチしていた。あと歌を歌う人もいた。

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このような住民の活動自体は、政治活動の自由として尊重されなければならない。またこのような住民の意思というものも汲んで政治をやるべきことは民主国家の政治として当然である。しかし、じゃあこの住民たちの活動によって、日本の安全保障が決定されていってもいいのか。

このようなことの危険性をいつも指摘しているのが、まさに朝日新聞的、毎日新聞的インテリたちではないか。

「熟議が必要だ」「感情による言動は控えるべきだ」「住民による直接投票(直接民主制)ではなく、見識のある者による熟議(間接民主制・代表民主制)で決めていくべきだ」とね。その論理でいくなら、この辺野古の現場での住民の活動こそ、真っ先に批判されなければならない。

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(ここまでリード文を除き約2600字、メールマガジン全文は約1万1700字です)

※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.141(2月26日配信)を一部抜粋し、加筆修正したものです。もっと読みたい方はメールマガジンで! 今号は《【メディアが報じない沖縄県民投票(1)】現地報告! なぜ今回の投票結果だけでは普天間移設問題は解決しないか》特集です。

(写真=iStock.com)
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