結果が出たから褒めるのではない、褒めるから結果が出るのだ。成果が出ない部下の本当の褒め方を知っていますか?
「褒めて動かす」上級テクニック
褒めることで、組織は変わるのか。褒めてばかりで甘やかしては、ぬるま湯的な職場になってしまわないのか。日本ほめる達人協会の西村貴好理事長に聞いた。
「褒めてみたけれど相手が喜ばない。褒め方が間違っているのでしょうか? という質問がたまにあります。でも、実はこの問い自体が間違っているのです。相手の喜ぶ顔が見たいからと、他人をコントロールするために褒めるのではありません。僕らが重視しているのは、褒めることで自分の心が整うということです。脳は話しているとき、自分と他人を識別しません。他人を褒めることが、自分を褒めることに繋がり、周りを応援することが、自分の可能性を広げることに繋がるのです」
褒めるところがない人はいない。それを見つけられない自分がいるだけなのだ。
日本ほめる達人協会の褒めるメソッドを取り入れたのが「ほめちぎる教習所」として有名になった三重県南部自動車学校だ。教習所というと無愛想な教官が、つっけんどんな対応で生徒を叱るイメージだが、この教習所は褒めて褒めて褒めまくる。
「叱るのをやめて、褒める指導にしたところ、評判が評判を呼んで合宿免許に若者が大勢集まるようになったのです」(西村さん、以下同)
生徒数が増えただけではない。教官の離職率も減った。
学校の経営が改善しただけではない。驚くべきことに、褒める指導を受けた卒業生の事故率も下がったのだ。
成功例はまだある。4年前に経営再建となったスカイマークが「ほめ達」のメソッドを取り入れ業務を改善したところ、定時運航率が1位、欠航率も最も少なくなるという劇的変化を見せたのだ。
褒めパワー恐るべしである。