(その2)夫の無理解
一方、既婚者であっても、とくに出産経験のある若い女性で孤独を感じているケースが目立つ。その原因には、夫が深くかかわっていると考えられる。初婚、初産が多い年齢なので、夫婦関係・子育ても未熟である。例えば、ある20代後半の女性は、夫が単身赴任したため、一人で家に帰った瞬間、孤独に襲われたという。出産後の子育てについても、不安と不慣れなことが多いため、夫や周りの人に助けてほしいと思っている。
にもかかわらず、身内はみそ汁の冷めない距離どころか新幹線の距離にしかおらず、助けは期待できない。そのとき非常に孤独を感じるという。「夜中に泣きやまない赤ちゃんと二人だけの時に、赤ちゃんが泣く理由もわからないので対処に困った。赤ちゃんが新生児の頃は毎日がつらかった」(29歳女性)という。
自分の親からも遠く離れ、育児について気軽に相談できる人はおらず、夫の協力も得にくいとすれば、不安と孤独を感じる、という気持ちも当然と言えるだろう。
(その3)職場での居場所喪失感
家庭だけではない。若い女性が孤独を感じる理由は職場にもある。高校、短大あるいは大学を卒業して入社し、数年勤務したため、もう「新人」ではなくなった。だが、30代以上のベテランに比べてまだまだ経験が浅く、中途半端な段階であるため悩む人がいる。
アンケートでみると、若い女性は「職場でストレスを感じている」人のほうが、より孤独を感じるようだ。つまり、26歳ぐらいになると、「後輩もできて、自分がしっかりしないといけない」というストレスを抱える。誰かに相談したくても、気楽に相談できる人はおらず、それが孤独感につながってしまう。
23歳の女性は、「将来のことを考えるとき、これから先、やりたいことができるのか、それに見合うだけの実力をつけられるのか……という不安や焦りをひしひし感じながら、孤独を感じます」と回答している。
(その4)集団のなかでの孤独感
周りには人がいるのだが、そのグループとはなじめず、余計に孤独を感じるという回答も目立った。これは若者特有の現象だろう。いつもワイワイしているから、若者が孤独感を抱くことはないだろうと思ってしまうが、周囲との関係性が非常に微妙で難しく、他人と一緒にいるからこそ余計にさびしく感じる若い女性がかなりいるのだ。
「誰かと一緒に居てもなぜか寂しさを感じるとき、会話に思うように入っていけない、自分がその場にいないような感覚という疎外感、孤独感がある」(35歳女性)
「複数人で話しているときに、私にはわからない話題で他の人が盛り上がっていると、少し孤独感を感じます」「気持ちを共有できない、置いてけぼりにされている感じ……」(25歳女性)