会社を辞めてからも、傷病手当金を受けられる

がん、脳卒中、心臓病、うつ病をはじめ、病気やけがをして、しかたなく勤めを辞める人は少なくありません。病気であればなおさら、生活のためにも治療のためにも、収入の確保は大切です。

傷病手当金は、いくつかの要件を満たせば、勤めを辞めてからも、就労できない状態なら継続して受け取れます。在職中の最初の支給対象日から数えて最長で1年6カ月目まで、元の月給のほぼ3分の2が支給されます。退職後に元の健康保険に任意継続で加入した場合でも、国民健康保険に加入した場合でも、続けて受け取れます。

初めての支給申請は、退職後でもかまいませんが、退職月までの期間については事業主による勤務実績・賃金の証明が必要です(その後の分は医師の意見だけでよい)。

ただし大事なのは、次に説明するように、休みの取り方や退職の時期によって、辞めてから傷病手当金を継続してもらえるかどうかが分かれることです。あわてて辞めずに、傷病手当金との関係でどうするのが得か、よく検討してからにしましょう。

連続3日以上休む、健康保険の継続加入を1年以上にする

退職した後も傷病手当金を継続して受け取るには、以下の4つの要件をすべて満たしている必要があります。

第1の要件は「連続して3日、療養のため労務不能で休んだあと、さらに1日以上、欠勤した」ことです。

ポイントは、いきなり辞めないことです。少なくとも、傷病手当金の受給に必要な待期期間にあたる連続3日間以上(公休・有休を含む)の休みを取った後で、退職に向けた手続きをします。それに退職日の休みを加えれば、この要件を満たします。

第2の要件は「退職日まで1年間以上、健康保険に継続加入していたこと」です。

現在の健康保険の加入期間が、退職日を含めて1年に足りなければ、傷病手当金の受給中に条件を満たすよう、日程を考えて退職するのが得策です。欠勤・休職がどれだけ認められるのか、就業規則で確認したうえで、必要なら人事労務部門に相談しましょう。

ここでいう健康保険の加入は、健保組合でも協会けんぽでもよく、転職や転勤で保険の加入先が変わっていても、加入の空白が1日もなければ、継続加入として通算できます。ただし以前の事業所を退職した後に健康保険に任意継続で加入した期間は、カウントされません。また、共済組合の加入期間とは、互いに通算できません。