【ベンチャー】うちは基本的にウソをついたら即アウト。2次、3次と面接を重ねていくうちに言っていることの整合性がとれていない場合は、最終面接では思いっきり突っ込んで聞くようにしている。そこでウソがバレたらその時点で落とす。

【IT】うちは同じ学生を10回くらい面接するが、誰も見抜けないウソをついていたのであれば、それはそれで才能がある(笑)。逆に感心してしまうし、自分の面接官としての力を疑ってしまう(笑)。

経団連が提起した就活ルール廃止。影響ありますか?

【メーカー】ルールが廃止されたら、確かに2~3年は混乱するだろうね。採用活動をいつから始めるのか、他社の動向を探りながら何を準備するのか、今まで考えたことがなかった動きが始まる。最初は今まで以上に学生への接触が早まるけど、その分、卒業までの内定者のフォローにコストがかかる。でも、それを何年か繰り返すうちにしだいに落ち着いてくるのではないかな。

大手メーカー●経団連所属の大手メーカーで人事歴約10年のベテラン。新卒採用では毎年約200人の学生を面接。

【ベンチャー】うちは経団連に加盟していないし、今でも通年採用をしているけど、それでも影響はあると思う。通年採用するにしても、学生の意思決定のタイミングが完全に個別化してしまう。今までは大手企業の動きに合わせて我々も動いていたが、それが変わるとなれば採用戦略も大きく変わってくるだろう。

【メーカー】確かに学生がこの会社に決めるという時期が徐々に変わると思う。しかし、今でもハイポテンシャルの学生たちは6月1日に内定が出ているが、その人たちの動きは通年採用になっても、早まることはあっても、あまり変わらないような気がする。その後にハイポテンシャルではないミドル層の学生たちが決まっていく構図は同じだろう。

【ベンチャー】たとえば大手総合商社が大学3年の6月に早期のサマーインターンシップを実施し、その時点で内定を出しますと言ったら、うちも早くやらないといけないと焦って全体的に混乱するかもしれない。

【IT】まったく動きが読めない。本当の優秀層はもともと時期なんか気にしていない。たとえば19年4月卒業の4年生で、9月も就活をしている優秀な学生たちがいる。就活市場では遅い出足かもしれないが、彼らは自信があるから本当にやりたいことがあれば時期なんか気にしない。「まだ、そんなに受けていません」と平然と言うよ。

(撮影=大崎えりや)
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