【メーカー】逆に小さなベンチャーで24時間、365日働いている学生から「自分はいくらでも働きたいのですが、OKですか」と聞かれた。さすがにそれは認められないと言ったけど(笑)。でも中には入社して、1年後に「起業します」とか「やりたいことがあるので」と言って辞めていく人もいるね。
面接では学生のどのような点を見ていますか?
【IT】社会に対して何かクリエーティブな発信をしたい、そういうアクションを起こしたいというマインドを持つ人がほしい。それを探るために、学生時代に何らかの実績がある人は、その中身やプロセスを聞いていく。でも単に優勝したとか、何位だったという実績のアピールだけはすごい学生がいる。優勝していなくても、何を感じてどういう行動を起こしたのかを聞きたいのに、タイトルすごいだろ、みたいなタイプ。逆に、本当は自信がないのかと思ってしまい、次の面接に上げようという気になれない。
【メーカー】単に競争環境に恵まれていただけということもあるからね。
【ベンチャー】「ベンチャーに行って自分も成長したい」と言う学生がいるけど、それは大いに結構だし、こっちも応援したい。でも「なぜベンチャーだったら成長できるの?」と聞いて、その理由や背景を理解していない、筋道を立てて説明できなければ基本的に落とす。結局、本気じゃないか、頭が悪いかのどっちかだと思う(笑)。頭がよければ自分のことなのだから、どういう仕事を通じて、どんなキャリアが築けるとか整理できるはず。それが言えないのは本気ではない証拠だよ。
【メーカー】両親のことを「うちのお父さん、お母さん」と呼ぶ学生がいる。年齢が上の面接官はちょっと引っかかるだろうね。私も入社してから大丈夫かなと思ってしまう。
【IT】面接での会話の中でやっていないことをやったとか、ウソをつく学生が意外といる。
【ベンチャー】最後の面接では他社の内定は出ているかを聞くことはある。こちらを牽制するためか「内定が出ています」と答えた学生が、じつは出ていなかったことがある。もちろん他社の人事にこの人受けてるの、と聞くことはないが、学生同士や人事の会話で個人情報が漏れてくることがある。あれ、うちには内定が出ていると言っていたのに、内定がないことが結局バレてしまう。
【IT】あるある。他社の面接は「次回が最終です」と言っていたけど、実際はまだ1次面接だったという話もある。他社の採用スケジュールは大体把握しているので、実はバレバレなんだよね(笑)。