夫婦合わせて月収50万円以上もあるのに大赤字
「海外旅行を計画しようと思って貯蓄を確認したら、ほとんどなくて……」
都内在住の丸山徹さん(仮名・46歳)、妻の奈々さん(仮名・45歳)ご夫婦。結婚15年の記念に家族4人でのハワイ旅行に行こうと思い、貯蓄を確認しました。すると口座の残高は150万円。これから子供の教育費がかかる時期を迎えるだけに、貯金に手を出すわけにはいきません。小学校3年生と1年生のお嬢さん2人は、初の海外旅行を楽しみにしていましたが、断念せざるをえませんでした。
夫の徹さんはメディア関係の会社に勤め、手取り月収48万円、妻の奈々さんもパートで月3万5000円の収入があり、世帯での手取り月収は50万円を超えます。それなのに、なぜ旅行代金を捻出する余裕がなかったのでしょうか。
丸山家の家計管理は「役割分担制」。奈々さんは徹さんから、生活費として毎月7万円を渡され、パート代を合わせた10万5000円で、食費や日用品費、交際費、交通費などの流動費部分を担当し、徹さんは住宅ローンや水道光熱費、通信費、子供の学校や塾、習い事などでかかる教育費などの固定費の支払いを担当しています。
夫からもらったお金はあればあるだけ使っていた妻
一見、きれいに役割分担がされた、管理がしやすそうな家計です。
しかし、役割分担をしたあとのお互いのお金の使い方にはまったくの無関心でした。奈々さんは計10万5000円の生活費を、食費6万円をはじめ、日用品費から交際費まで自分の担当分はきっちり予算を決めて、毎月やりくりをスタートさせています。ところが「(月の半分の)2週間くらいで足りなくなって、その都度、夫からもらっています」とのこと。
そのため、食費の予算は月6万円としていますが、結果的には9万6000円に膨れ上がっていました。その他の費目も、こうした追加のお金があり、それらの合計が毎月いくらになるのかもよくわかっていません。
要するに、奈々さんは夫からもらったお金でやりくりすると意識が希薄で、足りなければ追加でもらえばいいし、もらったお金はあればあるだけ使っている、という状態だったのです。