来年の参院選で自民党が勝てば「4選論」の出発点に
もちろん、4選という力技を実現するには前提条件が必要だ。安倍氏が安定的に政権運営し、その上で「安倍氏にしか進めることができない」という政治課題が存在することが条件となるだろう。
重要になるのは来年の参院選だ。自民党が勝利を収めれば、そこが4選論の出発点となるだろう。
その時点で憲法改正の道筋がついていなければ「改憲が決着するまで」という理屈で続投の理由がつく。もし、改憲の方向性が出ていれば、拉致問題や北方領土などの外交課題を持ち出して「安倍氏にしか解決できない」ということもできる。4選を目指すことさえ決まれば、理屈は後からついてくる。
小泉進次郎氏が経験を積むまで、安倍氏に続けてもらう
こういった噂が出る背景には、安倍氏の後継候補がなかなか見えてこないという事情がある。石破氏は先の総裁選の地方票で健闘して「ポスト安倍」レースで一歩抜けた印象があるが、肝心の国会議員票では2割にも満たなかった。
その他は岸田氏、加藤氏、茂木敏充経済再生担当相らの名が上がるが、政治的力量、知名度、人望ともに心もとない。石破氏も含めて4人は、いずれも60歳代。64歳の安倍氏とほぼ同世代だ。これでは、対外的に世代交代したというアピールができない。
ならば、37歳と若い小泉進次郎・党厚労部会長がもう少し経験を積むまでの間、安倍氏に続けてもらったらどうか。そういう考えを抱く議員が自民党内に少なからずいるのは事実なのだ。
(写真=AFP/時事通信フォト)