中2から4年以上も不登校のまま卒業
「私は教員からのパワハラが原因で、中学2年の終わりから卒業までの4年あまりを不登校のままで過ごしました。学校側は何が起きたのか調査もせず、関係者の処分も考えていません。原因は学校側にあるのに、出席日数の不足を理由に、2度転校勧奨もされました。学校から改めて謝罪と処分がない限り、私の怒りはおさまりません」
東京都世田谷区の私立中高一貫校「世田谷学園」を2018年3月に卒業したAさんはこう話す。Aさんは中学2年の終わり頃から不登校になり、そのまま学校に復帰できずに卒業。個別学習指導塾や予備校に通いながら勉強を続け、早稲田大学に現役合格。今年から大学生として学校に通っている。
Aさんに何が起きたのか。発端は中学2年生の冬。Aさんが風邪をひいて学校を休んだことを、担任の教員が「さぼって学校を休んだ」と誤解したことだった。
「お前は離婚家庭だから、心が弱い」
Aさんは当時、美術部と陸上部に所属。ただし陸上部は練習方針が変わったためやる気を失い、休みがちになっていた。ある日、陸上部の顧問からその状況を聞いた担任から、陸上大会への参加を強く促され、会場に足を運んだ。しかし、行ってみると、陸上部は退部扱いになっていて、大会には出られなかった。その日は気温が低く、Aさんは風邪をひき、翌日から学校を休んだ。
すると、休んでから数日後に、Aさんの携帯電話に担任から電話がかかってきた。担任はAさんが学校をさぼっていると誤解しているようだった。Aさんが「風邪で休んだだけです」と説明しても、怒気を含んだ口調で「学校へ来い」と繰り返す。さらにAさんが電話を切った後も、何度も電話をかけてくる。Aさんの携帯電話の番号を担任が知っているのも不可解だった。Aさんは怖くなり、担任と距離を置くため、美術部も辞めることを決意した。
※初出時、「担任は陸上部と美術部の顧問を兼務」としましたが、陸上部の顧問ではありませんでした。訂正します。(11月2日14時00分追記)
登校したAさんが職員室で担任に「美術部を辞めます」と告げると、担任は激怒。大声で怒鳴りはじめ、「お前は離婚家庭だから心が弱い」と罵られた。
この日以降も、担任の暴言が続き、Aさんは慢性的な腹痛を発症。「担任に会いたくない」という思いから、不登校になってしまった。