僕がかつて住んでいた地域の、どうってことのない普通の商店街やそこにある外国人向けの宿泊施設は、お客が減って経営が苦しくなってきた銭湯とタッグを組んだ。銭湯を外国人に無料開放したんだ。その資金は宿泊施設などがサポートする。

そうしたら外国人は銭湯が物珍しくてしょうがないんだろうね。ツイッターなどのSNSで噂が広がり、大量の外国人観光客が押し寄せるようになった。あの脱衣所の感じ、広い洗い場と湯舟、そしてなんと言っても壁にかかれた大きな富士山の画。外国人にとって楽しくてしょうがないらしい。しかも無料。そりゃ、押し寄せるわな。

そうなると外国人向け宿泊施設は儲かるし、その状況を聞きつけた賢い商売人は宿泊施設を新たなに建設する。周辺の飲食店などは、その外国人をターゲットに商売をする。イイ循環になっている。ゴーストタウン化していた数年前の様子が想像もできないような状況になっている。

この時の重要な政策ポイントとして、僕は商店街や銭湯に対する補助金を削減しにいったんだよね。当時の商店街振興策、銭湯振興策は、とにかく税による補助金を出すこと。これは全国どこでも一緒だと思う。毎年毎年、予算の時期になると、商店街補助金を増やす必要性、銭湯補助金を増やす必要性について、役所の担当部局などがそれらしい資料を僕のところに持ってくるんだよね。

まさに、今の国立大学協会や文部科学省高等教育局国立大学法人支援課が作っている資料と同じようなもの。大学と商店街、銭湯の違いがあっても、言っている趣旨やロジックは全く同じなんだよ。役所に補助金増額をお願いするやり方は、皆同じなんだよね。

で、これまで役所が商店街補助金や銭湯補助金をずっと出し続けてきた結果、商店街や銭湯はどうなったか。衰退の一途だった。それでも毎年、補助金増額の話ばかり。