「最初にやるべきことは、英語を勉強し続けることによって、どんな夢が広がるのかを10個くらい書き出すことです。『自分のキャリアを広げてくれる』『海外からいち早く情報を仕入れられる』『海外の専門家の話を英語のまま聞ける』といった具合に。そこにフォーカスしてモチベーションを高めるわけです。その途中の“中間目標”として『TOEIC800点を3カ月で実現』という構図にしないと、思ったような成果は得られません」(同)

三浦氏の考え方も古川氏に近い。現在、英語学習に関するコンサルティングの要請に応じる機会が多いという三浦氏とクライアントとのやり取りは、たとえば次の通りだ。

【三浦氏】何のために英語を勉強したいのですか?

【英語学習者】昇進したいからです。

【三浦氏】では、昇進したらそこで何をやりたいですか?

【英語学習者】そうか……、そうだ、海外の人と丁々発止でビジネスをやりたいです。

【三浦氏】それができるようになったら具体的にどうしたいですか?

【英語学習者】そうだな……、わが社が誇るいい商品やサービスを欧米だけでなくもっと世界に広めたいです。

【三浦氏】ただ広めればいい?

【英語学習者】う~ん……、それが、日本人としての世界貢献につながれば夢のようです。

「まず、英語にポジティブなイメージを持てるようにする。そして本当の目的、強い目的意識をしっかりと見据えることです」(三浦氏)

毎日のジョギング実践で快感を得る

職場で強く要請され、嫌々ながら即席で通わなければならない場合でも、やり方はある。

「『アズ・イフ・クエスチョン』をしてみてください。『もし英語を自在に話せたら、何をしたいか』について突き詰めていくのです」(同)

朝、目覚めて突然英語が操れるようになっていたら……などと“妄想”すれば、何をしたいかは意外に出てくるという。会社が強制してくるなんて、いいチャンス! と前向きな気持ちになればしめたものだ。

こうして古川氏の言う「夢」、三浦氏の言う「本当の目的」を確認したら、次に「習慣化」のベースをつくることが重要だと両氏は強調する。

「たとえばジョギングを楽しむ人々の多くが、タイムを上げたり距離を延ばすことよりも毎日実践することじたいに快感や報酬を得ています。お勧めの方法が、子供のころにラジオ体操に参加するとスタンプを押してもらえたのと同じようなカードを作ること。勉強した日に『済』などと記していくわけです。これを続けると不思議なもので、空白の日があると気持ちが悪くなり、不思議なモチベーションで継続できます。しかも毎日、学習を積み上げているという実感が得られるので、自己肯定感も生まれます」(古川氏)