例えば「夏までに5キロ痩せたい」とダイエットをしている人が、業務上、どうしても断れない会食に参加。サラダやチキンだけで済ませようとしていたところ、取引先のキーマンから「この店でパスタを食べないのはもったいない!」と勧められ、口にしたら最後、「今日はいい。デザートのケーキも食べる!」となってしまうわけです。

あらかじめ、失敗、挫折を計画しておく

こうして一度、立てていた段取りが崩れると立て直すには、より多くの努力が必要になります。実際に、暴食した一夜によってダイエットがなし崩し的に終わったケースは世の中に数多あるはずです。

旅先での計画ならば、立てた段取りを投げ出したまま、1日を終え、もう次の日からは成り行きまかせにしてしまうかもしれません。

失敗や挫折を想定せず、「うまくいくはず」という誤解をしたまま段取りを立てると、逆にうまくいかない可能性が高くなるというわけです。

段取りを立てるときは先に「失敗する、挫折する、計画外のことが起きる」ということを計画に盛り込んでおくこと。

失敗したとき、挫折したとき、計画外のことに直面したとき、自分がどんな感情を抱くのか。その結果、ものごとが進まなくなったとき、どう対処すればいいのか。

そこまで対策を立てておくのが、本当の意味での段取り上手です。

「段取りは挫折しないための対策であるということ」「失敗、挫折、計画外のことの発生をあらかじめ計画に盛り込んでおくこと」という2点を覚えておいてください。この2つを意識するだけでも計画倒れによって後悔する確率は著しく低くなるはずです。

メンタリストDaiGo
慶應義塾大学理工学部物理情報工学科卒業。英国発祥のメンタリズム(人の心を読み、操る技術)を日本のメディアで初めて紹介し、多くのTV番組に出演。その後、活動を広げ、企業のビジネスアドバイザーやプロダクト開発、作家、大学教授として活動。ビジネスや話術から恋愛や子育てまで幅広いジャンルにおいて人間心理をテーマにした著作は、累計270万部を突破。
(写真=iStock.com)
【関連記事】
頭がいい子の家は「ピザの食べ方」が違う
「東大より上」人事部の評価が高い大学8
職場に増殖中"サイコパス"タイプ別対処法
人の気持ちがわからない人の致命的理由3
バカほど「それ、意味ありますか」と問う