エイチ・アイ・エス関東法人団体専門店事業部教育旅行セクション所長の室井哲さんは、「当社の語学研修事業では、マルタへの留学が約18%を占めます。利用者は女性が圧倒的多数です」と話す。また、「現地で日本人女性がモテる」といった冗談半分のような話も、人気の秘密の1つとなっているようである。
成長都市マニラで、ビジネス英語学ぶ
一方、ビジネスパーソンの短期留学先として、フィリピンの人気が急上昇している。そのきっかけとなったのが「オンライン英会話学校」だ。
12年に設立されたビズメイツは、ビジネスパーソンに狙いを定めたのが特徴。レッスンでは、約500種類のメーンプログラムが用意され、すべてビジネスシーンを想定した、実践的な内容となっている。同社社長の鈴木伸明さんは、「英文法の正しさよりも、ビジネスで役立つ表現を重視しています」と力説。三菱UFJ信託銀行をはじめ、大企業の法人利用も拡大している。
そのフィリピンでは、留学費用が格安なことも追い風になり、日本人向けのリアル英会話学校も急増している。そうした中で、ビジネスパーソンに対象を絞ったのが、12年にCOCO塾を運営するニチイ学館のグループ会社となったSELCである。
15年3月に、マンツーマン指導に特化したマニラ校を開校。日本人向け英会話学校はセブに集中しているが、「マニラのほうが優秀な人材を集めやすいからです」と、同校の貝瀬梢さんは明かす。
ピーク時には60人ほどいる同校の講師は全員が大卒で、英語でビジネス経験がある人材や、英語指導の経験がある人材が活躍している。法人向けでは、自社製品を英語でプレゼンするオリジナルレッスンもある。法人の語学研修がメーンだが、9~1月期の法人需要のピーク以外は、個人留学も受け入れやすい。
校舎はマニラのビジネス街のオルティガスセンターにあり、高い経済成長を続ける新興国の活気を肌で感じられる。マニラというと治安が心配だが、「アジア開発銀行も近く、セキュリティーが保たれたエリアです」(貝瀬さん)。
宿泊先は徒歩13分のビジネスホテル。1人部屋が基本で、朝食付き。法人研修の平日は8コマ(1コマは50分)、土曜日は3コマで、週43コマ受けられる。個人の場合は週40コマで、レッスン内容も法人向けとは異なる。