編集部 それではまず、皆さんと不動産の関わりについてお聞かせください。

川村さん(以下、川)  05年12月から、それまで両親が管理してきた物件10棟、総計400戸を引き継いで管理しています。以前は会社員でしたが、現在は専業。自発的に不動産投資を始めたというより、家業としての意味合いが強いですね。

山田さん(以下、山)  サラリーマンの夫と子どもふたりがいる、主婦兼不動産投資家です。夫の転勤を機会に、東京都内に購入していた戸建てを貸しに出し不労所得を得たのが、大家の魅力を知ったきっかけ。いまは、愛知県内に区分所有を1件と、東京都内に土地から探して建てた新築物件を持っています。スタンスとしては、私が情報収集を主に担当して、夫婦ふたりでやっている感じでしょうか。

白井さん(以下、白)  私はいわゆる、サラリーマン大家。02年から不動産投資を始めました。きっかけは、前職の早期退職。ここで得た退職金で、すでに持っていたマイホームのローンを返済し、余った資金で投資用物件を購入しました。これまでに事務所用の物件をひとつ、アパート(08年に売却)、マンションを買い、09年4月にもフルローンで茨城県内のマンション1棟を手に入れました。

編集部 皆さん、アクティブに大家さんをなさっていますね。ところで、最近の不動産投資を取り巻く環境について、何か感じることはありませんか?

 金融機関の融資は厳しくなったと思います。05年前後からの大家さんバブル期は融資条件も甘く、フルローンも当たり前でしたが、いまは厳しい。兼業投資家なら、勤務先などが精査されるようになったと聞いています。あと、これは本人も悪いのですが、住宅ローンで二世帯住宅を建てて、そのうちひとつを賃貸していたのが金融機関にバレて、一括返済を迫られたケースがあるそうです。返済できない場合は最悪、自己破産ですからね。いまは金融機関のコンプライアンス(法令遵守)も厳しく、ルール違反で身を滅ぼすことも。自業自得とはいえ、気をつけないといけませんね。

 私も、融資条件の厳格化は感じますね。いまは現金を持っていて、物件を指値で買える投資家が強い時代。

 幸運にも私は、09年4月に買った物件がフルローン。某地方銀行の融資が通りました。最初は5000万円で売り出されていたのを4800万円で指値したら断られた。ところが、売り主に手紙を書いて私の思いを伝えたところ非常に喜んでもらえ、4830万円で譲ってくださったのです。

(松田健一=撮影)