不動産市況が踊り場を迎えている。これまで安定した賃貸収入を得ていた不動産オーナーの状況はどうなのか。3人の個人不動産投資家に、直面した苦労や対応策を聞いた。

白井さん(仮名・50代男性):不動産投資を始めて7年の経験を持つ積極派。入居者とのコミュニケーションに心を砕く。
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川村さん(仮名・50代男性):かつて公衆浴場を営んでいた父親から物件を引き継ぐ。サラリーマンは3年前に引退した。
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山田さん(仮名・40代女性):明るく元気な主婦兼投資家。以前は夫の夜遊びに手を焼いたというが、いまは夫婦円満だ。
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 2008年9月のリーマンショックから、ビジネスマンの“投資離れ”は激しく加速。株式やFXで多額の損失を抱えた兼業トレーダーは、市場からの撤退を余儀なくされた。翌年4月以降の日経平均株価の回復で出戻りや新規参入の動きも散見されるが、かつてのように「イケイケドンドン」というわけにはいかないようだ。

一方、急激な相場の変動があっても安定的に家賃収入が得られることから高い人気を誇った不動産投資。1980~90年代前半のバブル期に目立った投機的な売買でなく、長期的に不動産を保有する兼業大家は、金融機関の融資緩和も後押しして、一時期大ブームとなった。なかには、資金ゼロでマンションやアパートを一棟買いする「フルレバレッジ」の不動産オーナーも目立ったほどだ。

しかしながら、景気後退の波は不動産市況にも波及。思わぬ被害を生み出している。また、物件売買や管理に対する知識や経験不足から、思わぬトラブルに見舞われることも……。ここでは、3人の現役大家さんにお集まりいただき、市場の現状や、皆さんが経験した笑えないエピソードについて語っていただいた。