「釣り堀理論」でゼロから人を集める

リアル、ネットを問わず集客するとき、もう1つ外してはならない考え方は、お客さまが集中している場所に行くことです。

皆さんが釣りをするとき、たくさん魚がいる池と、少ししかいない池では、どちらで釣りをしたいですか? 当然、魚がたくさんいるほうを選びます。では、釣り堀と太平洋とでは、どちらで釣りをしたいですか? こう聞くと、今度は皆さん、釣り堀を選ぶと思います。太平洋のほうが、圧倒的に魚が多いはずなのに、どうして釣り堀を選ぶのでしょう。

理由はもちろん、釣り堀のほうが、魚が集中しているからです。たくさんいるだけではダメで、集中している状態でなければ効率が落ちるのです。集客も同じ原理です。

ただし、集中さえしていればいいかというと、自分の見込み客でなければ意味がありません。逆に言えば、自分のコンテンツと直接は関係のない場所でも、見込み客がいるのであれば、そこはあなたにとっての良い釣り堀になるかもしれません。

リアルにおいて、この「釣り堀理論」を使った非常に効果の高い方法が、「ブースを出す」という戦略です。私自身も先日、不動産業者の集まるイベントでブースを出しました。私のコンテンツは、金融・投資や不動産と直接は関係ありません。にもかかわらずブースを出したのは、不動産を買えるような富裕層の方々であれば、学びの意欲も高いため、私の展開するビジネスの見込み客とマッチすると考えたからです。

セミナー会場は集客に最適

セミナーや講演会、イベントに足を運ぶようなお客さまは、もともと成長欲求が高い人たちです。今セミナーに来ている人は、似たようなほかのセミナーにも行くと思っていいでしょう。ということは、集客で悩んでいる人にとっては、セミナーやイベント会場はまたとない釣り堀なのです。

つまり、セミナーやイベント会場で「机を置かせてください」とお願いするだけで、あなたはダイレクトに集客できるようになります。こんな安上がりで簡単な方法を知らない人が大勢いるのはもったいないとしか言えません。

断言しますが、セミナーや講演会については、広告費でブース以上にもとが取れる方法はないでしょう。わざわざ高いお金を払ってネット広告をあれこれ試したりするより、ずっと簡単かつ効果が高いのです。

集客でいちばん大変なのは、ゼロの状態から1に増やすことでしょう。「人を集めるのが難しい」と言っている人は、毎回、ゼロから1への挑戦を繰り返しているから大変なのです。リアルに力を入れていれば、その必要はありません。

1に増やすのがクリアできたら、あとは来てくれたお客さまにアプローチして次につなげていけばOKです。うまくやっている人は、集まった人に必ず「どんなイベントやセミナーであれば次も来てくれるか」というアプローチをしています。この原理が理解できれば、たとえ最初は家族や友人だったとしても、どんどん人は増えていくのものです。

小山竜央(こやま・たつお)
ライブクリエイト代表取締役
1982年、香川県生まれ。2005年、大手広告代理店に入社しSNS開発、ゲーム開発、マーケティングに携わる。その後、独立し、過去に培った知識を元に「ゲーム理論マーケティング」を取り入れた法人へのビジネス指導と、講演会を全国で開催。著書に『5分の使い方で人生は変わる』『スマホの5分で人生は変わる』(ともにKADOKAWA)、『なぜか、自動的に幸せになれる72の習慣』(サンマーク出版)、『ストーリー思考で奇跡が起きる』『神速スモール起業』(ともに大和書房)など多数。
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