相手は誰でもかまいません。セミナーで初めて会った人、感銘を受けた講師、同じ業界のライバル、とにかく呼びかけてみることが大切です。私の場合は知らない人でも、とりあえず、いつも「コラボしない?」と声をかけています。ラーメン屋さんの店長でも世界的なマーケターのジェイ・エイブラハムでも、誰でもです。

ただし、知らない人相手に、自分とコラボしてもらえるような関係を築くには、初体面でもそれなりの印象を残す必要があります。それには、リアルな場で出会って名刺を渡す際、もしくは名前を名乗る際に、必ず次の3つのことをするといいでしょう。

1つ目は、自分が何屋さんなのかの説明です。このときのポイントは、一言で説明すること。10分も時間がかかったりする自己紹介は絶対にNGです。

よくあるのが、「肩書きがいっぱいあるから」と全部説明するパターンですが、こういう人は1つに絞ってください。私も、会社を経営していたり、本を出したりといろいろなことをしていますが、説明するときは一言「セミナープロデューサー」だけにしています。

「利益」とはお金のことだけではない

2つ目は、相手にどんなお客さまを求めているのか、聞くことです。

人がいちばん求めているのは、利益、いわゆる「ベネフィット」です。利益とは、お金のことだけではありません。プライベートでも誰かと付き合う理由は、その人といると安心する、居心地が良い、楽しくなる、面白いイベントに誘ってくれるといった、自分にとっての何かしらのメリットを感じるからでしょう。

ビジネスの場では、相手に対して、自分が何を与えられるかを、はっきり言葉で示さなければなりません。だからまず、自分が何をやっているかを説明します。それから、相手が求めているお客さま、見込み客がどんな層かを聞き出します。

3つ目は、相手に利益をもたらすような提案をすることです。具体的には、お客さまの層に合わせて、次のどちらかを持ちかけてみましょう。

お客さまの層が自分とマッチする場合、たとえば自分がダイエット業界、相手が睡眠や食事療法といった業界で、どちらも健康系というジャンルで同じときには、「一緒にイベントかセミナーをやりませんか?」と、コラボを提案するのです。

対して、お客さまの層が全然違う場合、たとえば自分が保険の営業で、相手がダイエット業界の場合は、「私のお客さまを紹介しましょうか?」と声をかけましょう。たとえ直接のコラボの相手ではなくても、相手にメリットのある誰かを紹介して、まずは最初のつながりを作るのです。