新型iPhone発表は6年続く“秋のお祭り”
アップルは今年も9月に新型iPhoneを発表した。2012年の「iPhone 5」発表以降、アップルは毎年9月前半に発表会を開催し、9月20日前後に製品を発売というスケジュールが7年間続いている。
iPhoneは、2年ごとに大幅にモデルチェンジして、その際に新しい製品名(ナンバリング)を使う。昨年は“次世代のiPhone”という触れ込みで「iPhone X(アイフォーン テン)」という新しいプロダクトラインを誕生させた1年目にあたり、今年はこのXの改良版が登場するのが大方の予想だった。
そして日本時間の9月13日未明に発表された製品の名称は「iPhone XS」。当初、「S」の文字が大文字か小文字かで各メディアで表記揺れが見られたが、ほどなく大文字で決着。iPhone 5s、6sと続いていた小文字の「s」から、iPhone 4S以来の大文字の「S」表記に変わっている。厳密には「iPhone 3GS/4S」は、後にアップルが「3Gs/4s」へ表記変更したので、大文字のSを冠するモデルはiPhone XSシリーズのみとも言える。
スペックはiPhone Xから大きく変化なし
iPhone XSの進化を主要スペックからみると、心臓部となるSoC(System‐on‐a‐Chip)がApple A12 Bionicに変わっている程度。これはiPhone Xが搭載するApple A11 Bionicからの刷新で、プロセスルール(配線の幅。幅が細いほど、同じ面積の半導体の上で複雑な回路を作れる)がA11の10nmから7nmへと微細化した。中国ファーウェイ社が9月上旬に7nmプロセスのSoC「Kirin 980」を発表済みだが、Kirin 980搭載のスマホを発売するのは10月の予定。9月21日発売のiPhone XSは、世界で初めて市場に出回る7nmプロセスSoC搭載スマホとなる。