「日本の公立校と同程度」の金額で教育を受けられるケースも

子供にシンガポールで教育を受けさせる場合、現地の公立校に通わせるか、インター校に通わせるかで、大きく金額が変わってきます。

公立校の場合、シンガポール国民と永住権保有者(PR)が、学費や学校の選択の面で優先されます。永住権を保有できれば、日本でオール公立コースとそれほど変わらない金額で、公立校に通わせることができます。英語と中国語の教育を受けられることを考えるとローカル校も魅力的です。外国人価格の場合でも日本で私立学校に通わせる程度の金額になります。ただし、ローカルスクールはシンガポール人が優先されるので、好みの学校を選ぶのは難しいです。

インター校の学費は年約250万円(ホリデープログラムなどを除く)で、日本のインター校と同程度になります。インター校の中でも日系の学校は金額が安めです。また、最近は割安授業料をうたうインター校が複数できたので、選択肢も広がりました。一部の名門校ローカル校では留学生向けのローカルインター校を用意しています。ローカルインター校も一般的なインター校より学費が安めです。

MBA取得の費用も欧米の半額程度

幼少期から母子もしくは親子留学でとなると学費や生活費がかさみますが、中学生程度の年齢からは、子供だけで留学ができるインター校やローカルインター校もあります。

MBA取得にかかる費用は500万円程度からで、欧米の学校に比べると半額程度となっています。大学院からシンガポールで学び、そのまま就職するという道もあるでしょう。就職をするのも欧米と比べると比較的簡単です。私の夫も働きながらエクゼクティブMBAコースで学んでいますが、平均年齢も高く社会人の学び直しにはとてもよいようです。ここでしか手に入らない人脈、チャンスがあるので、人生のどこかのタイミングで海外に出て学ぶという選択肢も入れるとよいのではないでしょうか。

花輪陽子(はなわ・ようこ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、CFP認定者
1978年、三重県生まれ。青山学院大学国際政治経済学部卒業後、外資系投資銀行に入社。退職後、FPとして独立。2015年から生活の拠点をシンガポールに移し、東京とシンガポールでセミナー講師など幅広い活動を行う。『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』(講談社+α新書)など著書多数。テレビ出演や講演経験も多数。
【関連記事】
超少子化シンガポールの将来が明るいワケ
元博報堂社員"子育て"を理由にオランダへ
英イートン校"統治者"を育てるヤバい授業
天才とアホの両極端"慶應幼稚舎"の卒業生
"学費年1000万"海外全寮制スクール実態