僕も、住民訴訟でバンバン訴えられたよ。今のところ、僕個人が支払うようになったものはない。先日8月30日にもね、大阪府知事の行為について6年前に起こされた住民訴訟の控訴審の判決がやっと出て、僕の支払いは不要ということになった。
訴えられた金額は、なんと96億円に、6年間の年5%の利息だったんだよ。利息だけで30億円ほどだよ! これ、負けていたら払いようがないけど、俺の家族の生活はどうなっていたんだ?
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この住民訴訟は、大阪府知事のときに、大阪市が外郭団体を通じて建設した超高層ビル(WTCビル)を大阪府庁舎とした買い入れたことを原告の住民たちが違法と主張するものだった。
購入価格とその後の耐震補強費などを合わせて96億円。その支出が違法だから、橋下個人が返還しろという主張。
この超高層ビルの購入には、もちろん激しい賛否の意見があった。それは大阪府議会の中だけでなく、大阪府庁の中でもだ。どちらかと言うと、役人は反対する者が多かった。
僕が、この超高層ビルを購入しようとしたのは、大阪府庁舎の新規建設を止めるためだった。大阪府庁舎は大正15年に竣工したもので、歴史的風格はあるものの、庁舎としてはもうボロボロの状態。耐震強度も備えておらず、大阪府の行政事務をやるには、非常に効率が悪い環境だ。ICT化は遅れているし、空調システムにも問題が多かった。空間利用についても甚だ不効率。
そこで歴代府知事の時代から、大阪府庁舎の新規建設が大阪府庁の役人の中でも、大阪府議会議員の中でも超重要テーマとして上がっていた。
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ここで大阪府庁舎の新規建設に、当時の与党自民党の中で強く激しく反対の旗を振っていたのが松井一郎・現大阪府知事、日本維新の会の代表。与党自民党の中で、新規建設反対派は少数派だったらしいけど、「大阪府は財政状態が火の車で、こんなときに庁舎に1000億円以上のカネをかけるのはおかしい!」という松井さんの正論に、大阪府議会議員も役人も表立って反論できなかったらしい。
そういうことで、大阪府庁舎の新規建設問題は、ずっとくすぶり続けていた。多数派は表立っては新規建設を言えず、少数派の松井さんの反対論の声が強く響き渡る。こんな中で、僕が2008年2月に大阪府知事に就任したんだ。