高齢化、介護人材不足、東京に山積みの課題!

「人生100年時代」がもう間もなく到来します。高齢者が、経験や能力を活かしながら居場所と役割を持って、地域で支えたり、または支えられながら、安心してともに暮らし続けることができるまちづくりを進めねばなりません。

現在、日本の総人口に占める65歳以上の割合は、すでに21%を超えており、「超高齢社会」に突入しています。「高齢化」という言葉から、もはや“化”の文字はないと考えてよいでしょう。

そんな中でひとつのエポックとなるのが2025年です。都では団塊の世代が75歳以上になる25年に、人口が減少に転じると見込んでいます。高齢者人口は確実に増加し、35年には都民の4人に1人が高齢者になるという推計もあります。要介護認定者数も増加しており、20年には5人に1人が東京において要介護状態になります。介護医療が必要になっても地域で暮らし続けるためには何をすべきなのか。18年3月に都は、今後の取り組むべき施策を明らかにした「東京都高齢者保健福祉計画」を、中長期的視野からまとめました。

この計画では、大都市東京の目指すべき姿として、「地域で支え合いながら安心して暮らし続けることができる東京」を掲げています。身近な地域で医療、介護、介護予防、住まい、自立した日常生活の支援を提供し、都民の暮らしを支える地域包括ケアシステムを構築していきます。その実現に向けて、「介護サービス基盤の整備」や「高齢者の住まいの確保」など、7つの重点分野を定めて施策を進めています。

そのうちのひとつが、「介護人材対策の推進」です。東京では、職業の選択肢が幅広いこともあり、介護や保育などの福祉分野では、人材不足の問題が深刻化しています。東京都では25年までに特別養護老人ホームを6万2000人分確保することを定めていますが、建物やベッド数を確保しても、実際に介護をしてくださる人材がいなくては仕方がありません。