たとえば17年には、東京都内の高級住宅街で駅から徒歩3分のところに教室を構えていた英会話教室が、事業を譲渡したケースがありました。

ここは月謝ではなくチケット制で、受講者は主婦、OL、子供、ビジネスパーソンなど。チケットの有効期限が残っている受講者数は500人ほどと、規模からいえば中小にあたりますが、事業自体は好調で、オーナーが自由にできるキャッシュフローが年間3000万から4000万円に達していました。売却の理由は、オーナーが早期リタイアを望んだため。売却額は1億円弱と割安でしたが、それもオーナーの早く売りたいという意向が強かったためです。

買い手は建設現場に人を派遣する人材派遣会社。まったくの異業種ですが、社内に海外旅行好きで英会話教室に通い、語学教室業界の事情にも明るい女性がおり、その方の進言で買収を決断することとなったものです。買収後、この女性は自ら教室のフロント業務に就きました。

語学教室市場は、先述の英語学習の低学年化という追い風で短期的には市場拡大が見込まれるものの、オンライン英会話サービスとの競合や少子化の進行により、中長期的には受講者の減少、料金の低下が懸念されます。市場が飽和した業界では再編が進むのが常であり、この業界も今、生き残りを懸けた再編の渦中にあると言ってよいでしょう。

(写真=iStock.com)
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