「ちょっと頑張れば買える」価格も人気を後押し

そんなジムニーは145.8万円から、ジムニーシエラは176万円から、と言う「ちょっと頑張れば買えるかもしれない」と言う価格も人気を後押ししている。

米澤氏は「300万円で売るクルマなら別の方法もありますが、今のパッケージング・価格ではベストだと思っています」と話す。

「もし5年後にユーザーの嗜好が変わっていたら変える努力が必要ですがし、逆に変わっていなければ変えない努力が必要。そこはシッカリとユーザーをウォッチしながら必要な人に必要なクルマを届ける、それに尽きますね。現在、知名度が上がりこれまで興味を持たない人に興味を持っていただいているのは非常にうれしいことですが、逆に納車でお待たせしてしまっているのは申し訳ない気分でいっぱいです」

コンパクトボディで高機能という伝統のプロスペックを誰でも気軽に扱えるようになった新型ジムニーシリーズ。マニア層ではない新たなユーザーも獲得していることから、今後はハードの進化・熟成はもちろん、ユーザーイベントの開催などのソフト面も充実させてほしい。すでにサードパーティもさまざまなカスタマイズパーツを開発しているようだ。トヨタ86と同じように、一過性のブームで終わらせず、メーカーとユーザー、チューナーの三位一体で“細く長く”育ててほしいモデルだ。

軽自動車の「ジムニー」と全幅とトレッド、タイヤサイズが異なる「ジムニーシエラ」
山本 シンヤ(やまもと・しんや)
自動車研究家
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車雑誌の世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の気持ちを“わかりやすく上手”に伝えることをモットーに「自動車研究家」を名乗って活動をしている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
(撮影=山本シンヤ)
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