新聞の見出しを追うにせよ、「わからない言葉」を検索するにせよ、興味を失わず勉強し続ける工夫が大切です。学校であれば、同じ目的を持って勉強し、議論し合う仲間を見つけることができるでしょう。独学ではそれができないので継続するのが難しい。独学の場合は、「誰かに教える」ことが一番のインセンティブになります。知っていることを「自慢したい」という欲求も満たされるからです。

例えば、会社の出張で部長のお供をして海外の取引先と面談する機会があったら、積極的に参加しましょう。誰かの前で外国語を操る場面を見てもらえると思えば、大いに励みになるでしょう。

「誰かに教える」「自慢したい」という願望を満たすために、ブログを作って自分の勉強成果を書いていくのもよいでしょう。いろんな人が目にするため、「間違ったことやいい加減なことは書けない」という気持ちが働きます。その結果、きちんと調べ、本格的に勉強する姿勢につながるでしょう。

また、ブログは見た人から指摘や反応をもらえます。このことは大変重要です。私自身、大学で公開講座をするときなどは、時間の半分だけ講義をし、残り半分の時間は受講者から質問を受け付けるようにしています。質問を受けることは大変な勉強になります。それが、次の勉強テーマへとつながっていくのです。

▼情報弱者にならないための「5つの習慣」
(1)1面から3面までの新聞の見出しを毎日チェック!
(2)会話の中で知らない単語が出てきたら、すぐインターネットで検索
(3)地理的な情報がわからない場合、「Google Earth」で現状を知る
(4)勉強をしたら、成果を「ブログ」にまとめる
(5)友人などに得た知識を教え、「質問」をしてもらう
野口悠紀雄
早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問
1963年、東京大学工学部卒業。64年、大蔵省(現財務省)入省。72年、エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授などを経て、2005年4月より早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授。11年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問。一橋大学名誉教授。17年9月より現職。近著に『「超」独学法AI時代の新しい働き方へ』(角川新書)。
(構成=小澤啓司 写真=Getty Images)
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