市場分析
次々と新しい分析手法が提唱されている

話題のAISAS、エスノグラフィーとは

市場分析でよく使われるのが「3C」(図1)です。3Cとは、市場の3つのプレーヤーであるCustomer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)のこと。市場を3者の視点で見ることで、その市場における重要成功要因を導き出します。

市場構造の分析には「5F」(図3)も有効です。業界を「新規参入者の脅威」「代替品の脅威」「売り手の交渉力」「買い手の交渉力」「同業他社との競合」の視点から分析する手法ですが、実務では、5項目すべてを詳細に分析する必要がないこともあります。たとえばタクシー業界を分析する場合、重要なのは「新規参入者の脅威」(ウーバーなどシェアサービスの台頭)。規制で運賃が決まっているため、「買い手の交渉力」は無視していい。フレームワーク全般に言えることですが、枠をすべて埋めることが目的ではないのです。

市場における顧客の動きの分析には、「AISAS」(図2)や「エスノグラフィー」(図4)など、次々と新しいモデルが提唱されています。AISASは、SNS時代に即したフレームワークです。また、エスノグラフィーは、デザイン思考と呼ばれるイノベーションを起こす方法における、ユーザー観察の手法です。