戦略立案
力を入れるべき事業はどれだ

顧客なきところに、チャンスはない

事業戦略の立案に役立つフレームワークを紹介しましょう。「アンゾフの成長マトリクス」(図1)は成長戦略を考えるときに有効です。「顧客ターゲットは新規か既存か」×「技術は新規か既存か」のマトリクスで、自社が力を入れるべき領域を導きます。

成長マトリクスで将来目指すべき領域が見えたら、直線的に突き進む事業戦略を立てたくなるかもしれません。ただ、現実には途中で環境変化があって、理想通り進まないもの。走りながら考える「アジャイル戦略」(図4)で柔軟に進めるのも選択肢の1つです。

「バリュープロポジション戦略」(図2)は、顧客起点の戦略立案です。(1)どの顧客セグメントに、(2)どの経営資源を使い、(3)どのような価値を提供するのかを考えますが、大切なのは順番です。自社の経営資源から発想する企業が少なくありませんが、機会なきところに成長なし。顧客ニーズから考えることを徹底しましょう。

顧客のニーズがあっても、そのための経営資源がなければ絵に描いた餅です。自社の経営資源は「VRIO」(図3)で分析。Value(経済価値)、Rarity(希少性)、Inimitability(模倣困難性)、Organization(組織)の各視点で評価します。