日本経済はこれからどうなるのか。そして、その先行きは私たちの家計にどんな影響を与えるのか。2人の有識者が4つのテーマについて徹底解説する。第2回は「投資」について――。

▼東京五輪前後に競争力を持っているかに注目

年内は現状維持、注視すべきは2019年

2018年1月のビットコイン暴落、18年2月の米国株急落による日経平均株価の下落。サラリーマン投資家を右往左往させる情勢が続いている。

写真=iStock.com/Petrovich9

「世界経済、日本経済ともに17年は予想以上に好調でした。しかし物価が上がっていない。熱くもなく、ぬるくもない『適温経済』だと言われ、18年もこの状態が続く可能性が高い」(大和総研の熊谷亮丸氏)

18年2月の株価暴落の発端は米国株の総崩れ。18年1月の米国雇用統計で賃金上昇が予想を上回り、景気抑制のため米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げペースを速めるとの見方から株価が暴落した。だが、そこからトランプ政権の大型減税への期待から再び持ち直している。

「FRBがアグレッシブに利上げをしようとすれば、トランプ大統領が横やりを入れる構図がある。その結果、多少の調整がありつつも、少なくとも年内は適温経済が続くと見られています。むしろ、問題は19年。拡大路線が続いた米国景気の息切れや中国のバブル崩壊の懸念もある。東京オリンピック関連の投資や原油価格の動向も気になるところです。適温経済が根底から覆されるリスクも警戒する必要がありそうです」(熊谷氏)