「業務量削減」で店舗リストラを断行

実際、18年3月期に3グループで唯一、最終利益が減益となり、実質業務純益で前期比34%減と3グループで最も減益幅が大きかったみずほFGは、先々とはいえ、26年度末までにグループ従業員を1万9000人減らし、6万人に絞り込む。店舗網も統廃合に取り組み、現在の約500拠点から24年度までに100拠点削減する。メガバンクが中長期的に取り組む「業務量削減」と呼ぶ実質的な人員、店舗のリストラに対しては、三菱UFJ銀行、三井住友銀行も足並みを揃え、今後の事業環境変化に身構える。

MUFGは三菱UFJ銀行などが展開する窓口で接客する従来型の約515店舗を23年度までに半減する一方、自動化でセルフ型などを進める新型店舗を増やし、全体の店舗数を2割程度まで削減する。このほか約9800人分の業務量削減を目指す。三井住友銀行は店舗数で現状を維持するものの、「顧客の行動変化を踏まえ、リアル店舗を見直す」(国部毅三井住友FG社長)とデジタル技術を備えた店舗を想定し、20年度までに4000人分の業務量を減らす。

しかし、メガバンクのダイエットはこの先々の話しだけで終わらない。足下で3メガバンクは4月末までにこの春の賃金交渉でそろってベースアップ(ベア)要求を2年ぶりに見送った。三菱UFJ銀行とみずほFGに至っては、年間一時金(ボーナス)の増額も断念し、前年並みとすることで労使が妥結したほどだ。安倍晋三首相はデフレ経済脱却への道筋を完全にするため、今春闘で経済界に3%という具体的な水準を上げて賃上げを強要した。しかし、いまのメガバンクの低下する体力で首相要請には応じられないのが偽らざる事実だ。

目先で賃金は足踏みし、先行きの昇進、さらに先々の雇用も危ういとなれば、「寄らば大樹」だったメガバンクの中堅行員にも転職が視野に入る。人材サービス企業の求職にはここにきて中堅銀行員の転職希望者が急増しているとされるのも、構造不況に陥ったいまのメガバンクの姿を象徴している。こうした動きは、毎年1000人を超える規模で続けてきた新卒の採用にもストレートに反映された。2019年採用はみずほFGが前年を665人下回る700人と半減する。三菱UFJ、三井住友銀行も1、2割削減し、3メガバンクの19年新卒採用計画は前年の3200人から3割減り、大量採用時代は幕を閉じる。