糖尿病 60~78歳までの19年間の負担は約727万
実は、その効果のほどを金額に換算したデータがある。
まず過去10年間、ずっと肥満だった人がそれ以降に支払っている医療費は、肥満とは無縁だった人のそれよりも、1年間で約2万円多い(図1)。
その肥満が進むと糖尿病を発症するリスクが高まるが、糖尿病はさまざまな合併症を引き起こすことで負担が大きくなっていく。糖尿病の代表的な合併症である網膜症を発症した場合、健康保険適用前の入院医療費は年47万円。60歳で発症して合併症が増えていったと仮定すると、60~78歳までの19年間の負担は約727万円にも及ぶ(図2)。
また、男性は体重が20キロ重いと糖尿病の医療費が2.5倍になるといったデータもある(女性は16キロ差)。肥満は、見た目が「太った」ということ以上に深く医療費と関係している。(図3)食べすぎ、飲みすぎの習慣が続くと、経済的にもバッドな人生が待っているのだ。ここで留意すべきは歯のケア。歯そのものだけでなく、近年は歯周病と糖尿病との関わりが判明している。老年層が「リタイア前にやるべきだったと後悔している事柄」の健康面のトップは、歯のケアを怠ったことだ(プレジデント誌2012年11月12日号アンケート)。