「中国にノーと言える」老獪な指導者の腹の内
独立以来初の与野党交代で世界最高齢の首相として返り咲いた。中国の“経済侵略”になすがままの体であったASEANで「中国にノーと言える」老獪な指導者が登場したことのインパクトは小さくない。
日本統治下で思春期を過ごし、戦後は英国植民地からの独立運動に身を投じた。開業医の傍ら、政治活動に従事。独立翌年の総選挙で統一マレー国民組織(UMNO)から出馬、国会議員となり、1981年第4代首相に就任。22年の長期政権を担った。「ルックイースト」(日本に学べ)政策を打ち出した親日家。97年のアジア通貨危機当時、後継者と目されていたアンワル財務相(当時)と政策面で対立、強権をもってアンワル氏を失脚させたことは最大の政治的過ちと言われていたが、UMNOを離党し、野党連合議長となって出馬した今回の総選挙では、アンワル氏とも恩讐を超えて共闘した。
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(写真=AFLO)


