加計理事長と安倍首相もよく似ている

加計氏は国家戦略特区を活用した学部新設の申請について「問題はなかった」と強調した。

そのうえで安倍首相との関係を「何十年来の友達だが、仕事のことを話すのはやめようというスタンスで会っている。こちらのことは興味ないと思う」と説明した。

このような信じがたいことを、よくいえるものである。「何十年来の友達」なら仕事のことも家庭のことも話すだろう。それが信頼できる友達というものだ。

それなのに「仕事の話はしない」などと強調するから、疑いの目で見られるのだ。安倍首相も似たような国会答弁を繰り返している。2人は似ているのだ。

さらに加計氏は「たまたま総理と仲が良かったことで、こういうことが起きた」とも話していたが、納得しがたい説明である。

加計ありきで計画が進められたところに疑惑あり

ここで加計学園の問題を手短に復習しておこう。

国家戦略特区制度を活用した獣医学部新設の計画に首相官邸周辺が関与し、加計学園ありきで計画が進められたとの疑惑が持たれている。これが加計学園の問題だ。

学園の加計理事長は安倍首相の古くからの友人だ。文部科学省の記録文書からは「内閣府から『総理の意向』と伝えられた」との記載が見つかっている。

前文科事務次官の前川喜平氏も「官邸側から働きかけを受けた」と証言した。

安倍首相は学園の計画を「17年1月20日」に知ったとしていた。

ところが加計氏が「15年2月25日」に安倍首相と面会し、安倍首相が「いいね」と語っていたとの愛媛県の文書が新たに出てきた。安倍首相や加計学園側は面会そのものを否定している。

加計学園が運営する問題の岡山理科大獣医学部は、今年4月に愛媛県今治市に開学した。