【長谷川】それは「Yes and No」だと思います。短期的には一理ありますが、一方で日本に軸足を置いている会社の経営者であれば会社の存在意義や存在理由やミッションなどを定義しなきゃいけませんよね。それに向けて中長期的に会社はどういう活動をするのかを定義する際、例えばグローバル企業であればトップはグローバル経営者がいいですが、日本に軸足を置く会社の場合、日本における会社の存在意義を定義するために、日本の社会や、社会が抱えている課題、成長余地などまで踏み込んで定義しなければいけないと思います。
それはスキルのある外国人経営者にできる部分もあるけど、できない部分もある。恐らく中長期を考えるとそういう人が来て、その人の下で学んだ人が最終的には経営者になっていくのがいいと思っています。弊社を例にとると、フェイスブック ジャパンは日本語版を開始して今年で10周年ですが、これからの10年先を見据えて、フェイスブックグローバルではなくてフェイスブック ジャパンとして何を存在意義にするのか、というのを定義し直しています。
そうすると日本がいま抱えてる、少子高齢化、地方の人口減、あるいはこれから起きると言われてる地震や災害等々、そうした問題といかに向き合い、それらもひっくるめて会社の存在意義にしないと日本に根をおろしている会社として意味がないと思っています。ですので、そこはわりとミックス(Yes and No)というのが僕の感覚です。
就職する前にどういう刺激を受けるかが重要
【松嶋】そういう感覚で仕事していくと社会問題に対して解決できる事がフェイスブックにはいっぱいあって、それをやりたいと思っていることもわかるし、そうやるべきだと思うんですけど、そこで得た経験で日本の人材がグローバルに出ていけるかどうかについてはどう考えていますか?
【長谷川】そうですね。僕はすごくそこにパッションを持っていて、フェイスブック ジャパンからどんどん人を海外に出そうと思っています。何人か実際に行っていますが、行った人は活躍できています。だから、そこにホープはあります。ただ、それはウチがグローバル企業だからなので、それが他にもそのままあてはまるかというとそうではないとは思います。